大分県立美術館プロポーザル / 入選作品(TOP19/152)

 

大分らしい、個性と活気あふれる、街のような15 棟の美術空間

複雑な地形により8 藩7 領の15 領地に分かれていた大分は、個性豊かで進取の気風に富んだ県民性があり、一村一品運動においても地域性をよく発揮していることから、個性豊かな小さな美術館が集合する、大分県らしい分棟でありながらも緩やかにまとまった美術空間を提案します。

 

街と人をつなぐ、街と一体化する、常に開かれた都市型美術館

大分市立美術館の立地や建築と比べて、県立美術館の敷地は都市化された環境にあります。ここには公園の中にあるような滞在型美術空間ではなく、街と人、そして人と文化をつなぐ、街と一体化するような、常に開かれた真の都市型美術館が求められています。人が動き、人を動かす、透明な美術の間都市を活性化するためには、人を動かすことが重要です。県立美術館が目的地になるだけでなく、人が動く起点ともなって街と人をつなぎ、そして施設内でも人を動かし、それが街からも見えるような、透明な美術空間を目指します。

 

OASIS ひろば21 と作るコンパクトシティーのエントランス

OASIS ひろば21 の駐車場・ホール・アトリウムと一体となってコンパクトシティーのエントランスゾーンを形成します。美術館の企画や展示などがOASISひろば21 へ展開し、商店街のアートスポットへとつながります。ブリッジもアート体験空間として整備します。

 

大分芸術圏を結ぶコミューターネットワークのステーション

コンパクトシティーのエッジに位置する県立美術館と市内の美術関係スポットを結ぶアートコミューターバスのステーションを設け、大分芸術圏を作り出します。また別府や湯布院などの美術館などと結ぶ週末アートバスや観光バスのステーションにもなります。

 

人も美術も街もディスターブ(邪魔)しない美術展示空

間美術館は、ホテルでもオフィスでもなく、美術の為にある空間です。そして美術は私たちの生活を豊かにする為にあります。アーティストやキュレーターが働きやすく、展示をディスターブしない、そして訪れる人々をディスターブしない、街に優しい美術館。

 

ユニバーサルフリーで、周囲に開かれたプラン

複雑な地形によって生み出された大分の豊かな地域性を示す様に、背骨のように連なる地形広場を軸に全ての展示空間やワークショップ空間が同一平面状に展開し、どこからでも入ることが可能で、全ての展示室に直接搬出入ができる、多様な使い方が可能なプラン。

 

備後南画のようなセミラチスな展示計画を可能とする空間

北宋画(狩野派)に比べ、備後南画の作家たちには自由でセミラチスな関係があり、それがアバンギャルドな作風へとつながっていました。そんな気風に相応しく、常設・企画・県民ギャラリーと区分せず、15 棟全てを自由に組み替えることが可能です。

 

キュレーター中心の企画展に対応する、セミラチスな美術空間

周辺スケールに近い建築が集まった街の延長のような美術空間は、多様な展示に対応する様々な個性を持ち、キュレーターの企画によって他ジャンルの作品が集められる現代の美術館に相応しい、フレキシブルでセミラチスな使い方が出来る、第4 世代の美術空間となります。

 

多様な質(個性)を持つ展示室と採光システム

大分の地域性を反映した、多様な質(個性)を持つ展示空間を準備します。ニュートラルなホワイトボックスから外光にあふれた空間、南画に適したやや暗い空間、映像作品に適する防音設備のある空間など、音楽や文学などの教育活動をも受け入れられる個性を探していきます。

 

新しい美術表現を発信する、竹林で囲われた地形広場

Tate モダンのタービンホールやビルバオ・グッゲンハイムの大展示室、ニューヨーク郊外のDia:Beacon のような、常識に囚われない新しい発想を生み出す表現空間を竹林のような細い柱で支えた竹細工のような薄く、軽やかな屋根と地形で作り出します。

 

多様なアクティビティーを包みこむ竹細工のような大屋根

竹細工のような大屋根は、様々なアクティビティーを包み込む場を作り出し、イタリアのピアッツァのような都市の縁側となり、災害時には防災拠点としても機能します。また、大屋根は太陽の直射や雨掛かりを防ぎ、人と美術に優しい環境を作り出します。

 

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