新しいジェンダーと都市(住宅特集0602)

 

12月5日にイギリスでシビル・パートナーシップ法(同性婚法)が施行されたため、にこやかなElton JohnやGeorge Michaelの写真がニュースで流れている。彼らの笑顔を見ていると、ああこれが正常な姿なのかもしれないと思う。

ふと気が付くと、国際的ソーシャルネットワークOrkutのプロフィールはかなり細かくて、sexual orientationの項目には、男性なら、straight、gay、bisexual、bi-curiousの4つの選択肢に分かれている。勿論女性ならlesbianが加わるのだろう。デートの選択肢も、men&women、men、womenの3種類。世界的にはこれが標準ということなのかもしれない。

今までは、家族という単位を軸に住宅や集合住宅が作られ、社会や都市も出来てきた。それが最近揺れ動いている。都心のマンションは二人が標準だし、一人住まいも多い。家族という枠組みは少しずつ緩やかな結びつきへと変貌しつつある。

ここで、前述のsexual orientationを考えてみると、社会は男女という結びつきから、4つまたは5つの性の組み合わせへと移っていくとも思える。勿論どういうカップルであっても、それは家族に違いない。だけど、その多様な家族の在り方は一気に顕在化してくるだろう。そうなった時に、現在の建築や社会の形は変わっていくのだろうか?今のような画一的な都市像ではなくなるのだろうか?それとも器としての建築や都市は変わらないままなのだろうか?

全てをフラットに捉えていけばいいというような単純な議論ではないと思う。しかし、新しい世界感そして都市像が生まれ出てくる萌芽がこのどこかにあるような気がしてならないのだ。


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