新しいコミュニティー(住宅特集0512)

 

研究室で、ここ数年Tokyo Design Researchと題したサーベイを行っている。東京を題材にして現在の社会や都市を考えるワークショップみたいなものである。様々なキーワードで議論を重ねていくのだが、現実の都市を対象とするだけでは不十分なことに気づかされることが多い。

最近驚いたことに、ゼミに出ていた学生の半数がMixiと呼ばれるSNS(ソーシャル・ネットワーク)に参加していたことがある。Mixiは、紹介されて入るクローズドなBlogのようなもので、一日1万人ずつ会員が増えている。11月にはおそらく200万人近い会員数になっているだろう。もはや社会現象のひとつと言って良い。

中に入ってみると、実に様々なコミュニティーがある。公開、非公開と個人情報をコントロールできるのがBLOGと異なるところだ。日記を書いている人が多い。アーティストの八谷和彦が10年前に行っていた「メガ日記」を政令指定都市ふたつ分で行っているようなものである。

ありとあらゆるコミュニティーが出来ては消えていく。2チャンネルのような混沌さはなく、プライベートとパブリックの中間のような新しい世界観を感じさせる。

圧倒的に若い世代が多く、アーティストや作家など創作活動をしている人も多い。googleの一社員が開発したOrkutなども同様で、こちらは現在会員数1000万人。これらのSNSは検索と合体して、もはやビジネスや研究の手段となりつつある。

しかしそれ以前に、コミュニティーという言葉が決して幻想ではなく、すさまじい勢いでその成立要因を変えようとしていることを私たちは知るべきであると思う。YahooのCOOが、「ソーシャルネットワークは、コミュニティの崩壊に対する回答だ」と語っているように。



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